オンライン講座 助成金

オンライン講座(e-ラーニング)を助成金利用で賢く人材育成

  • 2022年9月7日
  • 知識

新型コロナウイルス感染症が、未だまん延している中、従業員のスキルアップを行いたいが、対面での研修などが難しく…。といった理由から、在宅でできるオンライン講座・eーラーニングを利用した、オンラインでのスキルアップを行う企業も増えています。

企業で人材育成ためのeーラーニングやオンライン講座を行った場合に、賢く助成金を利用している企業もあり、条件を満たせば助成金の対象として支援を受けることができます。そこで、これから人材育成にオンライン講座・e-ラーニングを利用しようと考えている企業に向けて、どんな助成金があるのか、どういう条件なのかなど見ていこうと思います!

eラーニングなどのオンライン講座で企業は助成金を利用できるの?

では、eーラーニングなどのオンライン講座で、企業はどういった助成金を利用できるのでしょうか?実は、eーラーニングを使用した人材育成では、利用できる都道府県や条件がなど限定されているものがあり、その条件に合わせて受けられる支援も変わります。それでは、実際にe-ラーニングで人材育成に利用できる助成金について見ていきます。

eーラーニングを使用した人材育成で利用できる助成金の種類は?

2022年9月現在で、e-ラーニングを使用した人材育成で利用できる助成金の種類は、大まかに分けて2つになります。東京都で行っている【オンラインスキルアップ助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)】と、厚生労働省が行っている【人材開発支援助成金】の2種類になります。

この2つの助成金ですが、支援内容や利用できる内容は、どういったものになっているのでしょうか?どういった利用ができるのかさらに詳しくみていきます

①オンラインスキルアップ助成金(東京都限定)

アップ支援事業)』です。東京都内に本社や事業所の登記がある中小企業や、小規模企業者などが受けられる助成金になります。e-ラーニングを利用した職務・業務などの知識や技術向上、資格取得などに関する訓練にかかる経費となります。

申請できる企業については、中小企業・小規模企業者・組合などの団体組織など様々です。しかし、限定される人数などの条件がありますので確認しておきましょう。

申請できる対象:【中小企業の場合】いずれか又は両方が該当するもの

  • 飲食業:5000万以下の資本金または出資の総額、常時50人以下の従業員。
  • サービス業:5000万以下の資本金または出資の総額、常時100人以下の従業員。
  • 卸売業:1億円以下の資本金または出資の総額、常時100人以下の従業員。
  • その他:3億円以下の資本金または出資の総額、常時300人以下の従業員。

申請できる対象:【小規模企業者の場合】申請時で該当するもの。

  • 小売業・飲食店:常時5人以下の従業員
  • サービス業:常時5人以下の従業員
  • 卸売業:常時5人以下の従業員
  • 卸売業:常時5人以下の従業員

申請できる対象:【組合などの団体の場合】

組合などの団体については、団体の2/3が中小企業の場合、申請ができます。ただし、団体職員ではなく、あくまでも『団体を構成する中小企業の従業員』のみが対象となっていますので、要注意です。

【助成金の詳細】

助成金の対象・中小企業が雇用している従業員。
・常時勤務している事業所の所在地が東京都内であること。※
助成金の対象経費・授業料(消費税を除く)
・授業で必要なIDなどの登録料
・授業の運営管理費  他
助成金額・限度額・小規模:経費の2/3、上限:27万円
・中小企業:経費の1/2、上限:20万円
訓練期間対象期間に応じて1年度中に8回行われます。

例)
申請期間:R4.2.16~R4.3.15
対象期間:R4.4.1~R4.12.31
報告書提出期限:R5.1.31
申請限度1事業者1回のみ

※e-ラーニングを受ける従業員が在宅勤務中などで自宅で待機している場合は在宅の場所は、別の場所でもよい。

助成金の支援を受けられる条件としては、上記のような条件が求められます。東京都内のみですが、中小企業でe-ラーニングでの研修やオンライン講座を受けさせたい従業員がいらっしゃる場合は、サイト(リンク:https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/jinzai/ikusei/skill-up/)より条件に当てはまるか確認してから、申請してみましょう。

②人材開発支援助成金(厚生労働省)

次に全国で利用できる厚生労働省の『人材開発支援助成金』です。新人研修や従業員のスキルアップで利用されている助成金ですが、e-ラーニングや通信制での訓練でも利用できます。シフト制や一斉に企業研修・訓練に入ってしまうとまとまった時間が取れない企業もあるため、e-ラーニングでのスキルアップを支援してくれます。

申請できる企業は、中小企業が主になっており、限定される要件や条件もありますので、そちらについても見ていこうと思います。

申請できる対象:いずれか又は両方が該当するもの

  • 飲食業:5000万以下の資本金または出資の総額、常時50人以下の従業員。
  • サービス業:5000万以下の資本金または出資の総額、常時100人以下の従業員。
  • 卸売業:1億円以下の資本金または出資の総額、常時100人以下の従業員。
  • その他:3億円以下の資本金または出資の総額、常時300人以下の従業員。

【助成金の詳細】

助成金の対象・雇用保険に加入している人材
※特定訓練、一般訓練のいずれか
助成金の対象経費・授業料(消費税を除く)
・授業の運営管理費 他
助成金額・限度額・一般コースのみ上限:500万円
・特定コース上限:1000万円
訓練期間対象期間に応じて経過日数を基準で計画書を作成、報告書を提出します。※

例)
計画書:開始日より1ヶ月前
対象期間:計画書提出後1ヶ月程度
支給申請書:終了日翌日から2ヶ月以内
申請限度年間計画期間中、合わせて3回まで

※必要書類等については厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000985797.pdf)に記載されていますので、確認しておきましょう。

人材開発支援助成金でe-ラーニングを使用する場合は、学習時間が20時間・学習期間が2ヶ月以上の場合が必要になります。キャリアコンサルティングの実施も必要ですし、動画学習や同時双方向性のオンライン講座も含まれますので、さらに詳しい要件を確認の上、人材育成に利用しましょう!

まとめ

ここまでふたつのe-ラーニングを使用したオンライン講座での人材育成を、利用するための助成金について見てきましたが、いかがだったでしょうか?それぞれ利用できるには限度がありますが、これからe-ラーニングを使用した人材育成は少しずつ増えていくと思いますので、上手に利用して、人材育成をしていきながら、企業の成長へつなげてみましょう。また、使用することのメリットも多いので、これから人材育成を考えていて、時間がなかなか取れない・在宅ワークになっている従業員がいる企業は一度検討していただけますと幸いです。