オンラインセミナーや講座の研修費は何の勘定科目にすればよい?

  • 2022年8月22日
  • 知識

オンラインセミナーや講座の研修費を会社の経費で受講したいという問い合わせが増えてきました。そういったオンラインでの講座やオンラインセミナーの学習した経費は何の勘定科目にすればよいのでしょうか。

それは「研修費」です。

あとで詳しく解説していきますが、「業務に関係するものか」や「対象者が役員などに限定されていないか」など注意点があります。

場合によっては、会社経費になると思っていたら従業員の「所得」となり課税されることになるので注意が必要です。

オンラインであってもセミナー・講座受講料は研修費

勉強する場所・教室に通学しないオンライン講座やオンラインセミナーの受講にかかった費用は「研修費」が一般的です。

経理スタッフの簿記3級講座の受講料120,000円(口座振込)を研修費として処理した。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
研修費120,000円普通預金120,000円
研修費の仕訳1

個人事業主が個人のクレジットカードで支払った場合

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
研修費120,000円事業主借120,000円
研修費の仕訳2

通学やオンラインでの講座受講費用は研修費だけじゃない

研修費の他に、教育費や教育訓練費など会社によって使われることがあります。

共通するのは

  • 一般管理費であること
  • 損金に算入できること

です

その他よくあるのは

  • 業務に必要な大学等の聴講費用
  • ビジネスマナー講習
  • 経理業務を行っているスタッフの簿記検定取得費用
  • 新入社員研修
  • 業務に必要なオンライン講座やオンライン研修
  • 接客スタッフの英会話研修
  • 講習会等の出席費用

講習会などの受講で宿泊が必要になったり、昼食にお弁当が出る場合も、常識の範囲内で「研修費」として処理して問題ないとされています。

また個人事業主が開業前に業務に必要な資格を取得したり研修を受講した費用は開業費として処理でき、金額によっては繰越処理もできるので青色申告を行っている事業者は受講前に調べておくと良いでしょう。

自己啓発は福利厚生費になる?

会社によっては、定期的なスキルアップを啓蒙するため、業務には直結しないがセミナーや講座の受講を推奨しており、受講にかかった金額の一部を会社で負担するというところもあります。

この場合は「福利厚生費」の勘定科目を使用します。

システム開発事業の社員が自己啓発でファイナンシャルプランナー3級を受験するので会社で負担した。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
福利厚生費6,000円現金6,000円
福利厚生費の仕訳

参考書の購入は新聞図書費

スキルアップはセミナー受講とは限りません。例えばWebデザイナーがレイアウトや色彩に関する参考書籍を購入したいと申し出があり購入した場合などが「新聞図書費」に当たります。

オンラインセミナーや研修・講習会で使用するテキストの購入であれば「研修費」で良いでしょう。

Webデザイナースタッフが色彩に関する参考書籍を購入したいと申し出があった為購入した

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
新聞図書費3,300円現金3,300円
新聞図書費の仕訳

期をまたがる研修費の決算処理は前払費用

オンラインであるかどうか関係なしに講習会や研修の代金は通常受講する前に支払うことが多いと思います。また学習期間が長期に及ぶオンラインセミナーや講座等も同様です。

では期をまたがる研修費が発生した場合はどうなるでしょうか?

それは前払費用を使用します。

決算となり、来期受講の講習費用を前払いに振り替えた。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額
前払費用120,000円研修費120,000円
前払費用の仕訳

翌期の期首は再振替仕訳を忘れずに行います。

オンラインセミナーや講座の研修費は何の勘定科目にすればよい?まとめ

オンラインセミナーやオンライン講座、オンラインでも受講が可能な講習会が増えたことで、会社の経費として扱っていこうというところが増えています。

今回オンラインセミナー等で考えられる勘定科目はこちらです。

  • 研修費
  • 新聞図書費
  • 福利厚生費
  • 前払費用 開業費

会社でこれから研修制度を導入することを検討しているという場合にも、是非この勘定科目の例を参考にしてください。